愛知県の体力・運動能力向上

【事業概要】
本事業は,愛知県の児童生徒の体力水準がなかなか上がらないという現状を改善すべく,2023年度より愛知県教育委員会保健体育課と共同して行っている事業です.愛知県の児童生徒の体力・運動能力は,現在,全国最低水準という好ましくない状態にあります.体力測定の結果は,あくまで成果指標ですが,この数値が低いと言うことは,運動実施自体も芳しくないことが推察されます.結果的に,体力はもちろん,運動を通した様々な子どもの成長の機会を確保できていないことが懸念されます.運動やスポーツ実施を通して,子どもの成長を促進し,結果的に体力テストの記録も向上すれば,子ども達の運動有能感の高まりも期待でき,益々の好循環を生むことにつながります.さらに,県全体としての活気が高まることにもつながると考えています.
中野研究室を中心とした,中京大学スポーツ科学部の研究グループでは,これまでの豊富な経験やノウハウ,さらには専門的な分析力を駆使して,教育委員会と共同で子ども達の運動促進,体力・運動能力の向上に努めていきます.県内の関係各位はもちろん,県外であっても,子どもの運動促進に関心を持たれる方は是非,ご参考にいただき,可能なコンテンツに関してはご活用いただければ幸いです.

新体力テスト直前研修

令和5年度は以下の5市町で研修会を実施しました.
令和5年度対象市町:岩倉市,豊明市,安城市,稲沢市,東郷町
当日は,1時間目に児童生徒と一緒に新体力テストのコツや準備,取り組み姿勢に関する実践指導を行い,2時間目は参加された教員(主に保健体育主任)とともにディスカッションおよび実践研修を行いました.

愛知県教育委員会:愛知体育のページ「令和5年度体力測定直前実地指導」

体力向上実地研修

令和5年度は以下の5市で研修会を実施しました.
令和5年度対象市:高浜市,春日井市,あま市,北名古屋市,小牧市
当日は,1時間目に児童生徒の体育授業の中でどんな単元でも適用可能な導入運動の実践指導を行いました.全ての単元に関する導入運動を紹介,実践することは非現実的なため,ここでは,事例として実施した導入運動をどのように各単元に応用させていくか(運動の転移)の発想を伝えながら実践を行いました.子ども達はとても楽しそうに実践をするとともに,非常に活発に運動転移のアイデアを発信してくれました.
また,2時間目は運動転移の発想のもと,参加教員とのディスカッション,アイデア発掘,実践を共に行いました.

 

 

愛知県教育委員会:愛知体育のページ「令和5年度体力向上実地指導」

体力・運動能力,運動習慣等調査データの分析

我々の研究グループでは,愛知県の子どもの体力向上,運動促進に関連する事業として,「令和5年度体力テスト分析に基づく研究委託事業」を受託しました.同事業では,令和4年度の全国体力・運動能力,運動習慣等調査の愛知県データを再分析し,今後の体力向上,運動促進関連の施策に活かしていくことを目的とします.また,同データを二次利用した研究発信も今後,進めていく予定です.

関連の講演、実践など

・2023年7月20日:稲沢市小正小学校で子どもの運動促進、体力向上の講演「子どもの運動促進、体力・運動能力向上を目指して」をしました.

・2023年7月20日:稲沢市小正小学校で3年生24名、5年生33名を対象に低学年,高学年向けの単元導入時の効果的な運動の実践を行いました.

・2024年8月1日:稲沢市大里東小学校で子どもの運動促進、体力向上の講演「子どもの運動促進、体力・運動能力向上を目指して」をしました.

研究報告・成果物

本事業に関連し,我々の研究グループでは研修時および各学校で活用可能な体力測定編と導入運動・運動転移編のカードを作成しました.